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地震が起きた時の備えの地震保険とは。入るべき?補償内容など詳しく解説

遅くなりましたが、令和6年1月1日に石川県能登地方で発生した能登半島地震により被災された皆さまに、心からお見舞い申し上げます。この地震による被害を受けた方々の安全と一日も早い復興を心よりお祈りいたします。

60年前の今日、1964年6月16日13時1分に粟島沖を震源とする新潟地震が発生いたしました。

この地震がきっかけで液状化現象という言葉が世に広がったともいわれています。

新潟県では、2004年10月23日に中越地震、2007年7月16日には中越沖地震が起きて甚大な被害を引き起こしました。

活断層の多い地域である新潟県は地震のリスクは高い地域といえるのかもしれません。

今回のテーマはいざという時の備え。地震保険について解説します。

地震保険とは

地震保険とは、地震や噴火、それらによる津波を原因とする住まいや家財が被害を受けたときに補償するための保険で、「地震保険に関する法律」に基づき、政府と民間の保険会社が共同で運営している公共性の高い保険です。

補償内容や保険料が法律により決まっているので、保険会社による補償内容や保険料の違いはありません。
火災保険では地震や津波、噴火による損害は補償されません。

大地震が起こった場合は多額の保険金が発生し、民間の保険会社だけで引き受けるのは困難となる可能性があります。

その為、政府が保険金の支払責任を分担する「再保険」の仕組みとすることで地震保険は成り立っています。

政府が保険金の支払責任を分担する「再保険」という形で成立っています。

実は、新潟地震の発生が『地震保険』できる直接的な要因となった地震ともいわれていて、発生の2年後の1966年に地震保険制度が誕生しています。

なお、地震保険の成立に尽力されたのはなんと当時大蔵大臣だった田中角栄氏でした。
新潟県民にとっては非常に縁のある保険であることがわかります。

地震保険の加入方法

地震保険は単独では契約できないため、火災保険とセットで加入します。

すでに火災保険を契約されている方は、契約期間の中途からでも地震保険に加入可能です。

なお、少額短期保険には「地震による損害を支払い対象とした少額短期保険」というプランがあります。

このプランは、「地震保険」とは別の商品として扱われ、火災保険と一緒に加入する等の制約がありません。

少額短期保険の場合は、地震保険と比べ保険金の限度額が少なくなりますが、支払う保険料も安く済みます。

保険料を抑えながらも地震に関する補償を求めたい人は、地震保険には加入せず、少額短期保険に加入するという方法もあるかもしれません。

通常の火災保険と少額短期保険の違いは別の機会に説明したいと思います。

保険料

火災保険の保険料は、保険会社が自由に設定できるため、保険会社によって異なります。

それに対して地震保険は、前述のとおり政府と民間の保険会社が共同で運営しているため、保険料の設定方法が統一されています。

つまり、地震保険は火災保険と異なり、保険会社ごとに比較検討する必要がないのです。

保険料は、建物の構造と所在地により異なります。

地震の発生確率は地域によって差もありますし、人口分布や建物の強度により被害の程度も異なるため保険料に違いがでてくるという訳です。(建物の免震・耐震性能に応じた割引制度があります。)

地域によって被害の大きさが異なるという事は、万が一の時に必要になる補償額も変わってきます。
このため、47都道府県が「1等地(リスク最小)27」「2等地12」「3等地(リスク最大)8」の3つに分けられています。
最も高い(リスク)の3等地は東京都・神奈川県・静岡県・高知県などです。

やはり東海地震・南海トラフ地震の被害を想定しての事がと思われます。

東日本大震災で大きな被害のあった福島県・宮城県は中間の2等地に該当しています。

新潟県は最も保険料の安い1等地です。
これだけ地震被害の続く新潟県が最も安い保険料というのも少し不思議な気もしてしまいます。


所得税控除の優遇制度

火災保険は所得控除の対象にはなりませんが、地震保険は所得税の控除対象です。

勤務先の年末調整または確定申告で控除を受けることが可能です。

以前は火災保険も所得控除の対象でしたが、税制改正によって平成19年分から廃止されました。

支払った地震保険料のうち、一定額は「地震保険料控除」として以下の通り所得から控除され、所得税や住民税の負担が軽減されます。



年間支払保険料の合計 控除額

◆所得税
5万円以下 → 支払金額の全額
5万円超  → 一律5万円

◆住民税
5万円以下 → 支払金額×1/2
5万円超  → 一律2万5,000円

地震保険の対象

火災保険は、火災や自然災害などで損害を受けた建物や家財を補償する保険です。

火災保険では、地震を原因とする火災による損害や、地震により延焼・ 拡大した損害は補償されません。

一方で地震保険は、地震や噴火、これらによる津波を原因とする火災や損壊、埋没、流失などの損害を補償しています。

この補償内容の違いが、火災保険と地震保険の大きな違いです。

保険金の支払いの対象となるもの

地震保険は、以下のような場合に支払い対象となります。

・地震による火災で家が焼失した
・地震により家が倒壊した
・津波により家が流失した
・地震による地盤沈下で家が傾いた

保険金の支払い対象外となるもの

地震の被害であっても以下のような場合は、保険金支払いの対象外となります。

・工場、事務所専用の建物など住居として使用されない建物
・1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨とう、通貨、有価証券、自動車など
・地震発生日から10日以上経過した後に生じた損害
・地震等の際に生じた紛失・盗難の損害
・故意や重大な過失、法令違反による損害

地震保険の保険金額

地震保険の保険金額は、火災保険の30~50%の範囲内で自由に決められます。

ただし、建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限です。

保険金額とは、保険会社が実際に支払う保険金の限度額の事です。

地震保険で支払われる保険金(2017年1月1日以降の契約)

地震保険で支払われる保険金は、建物や家財の損害状況によって変わります。

損害の程度を「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4つに区分し、その区分に応じて保険金が決まる仕組みです。

損害の程度は保険会社が判断します。

◆全 損:地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)
◆大半損:地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)
◆小半損:地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)
◆一部損:地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)

火災保険と地震保険の保険金支払の違いと考え方

火災保険は、今は契約金額を新品の金額(再調達価額)を基準に契約するのが基本です。

そのため事故や災害などで損害があった場合、契約金額を上限に実際の損害を保険金として支払うのが基本です。

それに対して地震保険の保険金支払の考え方は全く異なります。

個々の被災した状況に応じて実際の損害を支払うわけではなく、保険金の支払基準に当てはめて、該当する場合にその基準に応じた保険金の支払がされるだけです。

そのため実際の損害に対して支払われる保険金が、多いときもあれば少ないときもあるのです。


これは地震保険が、火災保険のように実際の損害を補償して建物を修理や、再築を目的とするものではなく、被災した後の生活再建を目的としているからです。

地震保険の加入率

損害保険料率算出機構のデータによりますと2022年の地震保険の加入率は全国平均で69.4%(前年度の69.0%より0.4%の増加)です。

2003年度以降20年連続で地震保険の加入率は増加しております。

新潟県は73%、元日の地震で被害大きかった石川県64.7%でした。

他県の加入率も確認すると福島県80.7%、宮城県89.3%、熊本県85.9%と大地震で被害を受けた県は平均よりもやはり高い加入率です。

なお東日本大震災前の2010年の地震保険加入率は、福島県40.1%、宮城県では68.7%でした。

まとめ

能登半島地震の発生からもうすぐ半年です。

しかし被災者の方の生活再建にはまだまだ時間は掛かりそうです。

地震保険は被災した人の生活再建を支えるのが目的の保険です。

地震の被害は火災保険では補償されません。

未加入の方は途中からでも加入は可能なので、慎重に考えてみるのが良いと思います。


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