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3,000万円特別控除をわかりやすく解説、譲渡所得を抑える方法も身につく

マイホームを売却する際に適用を受けられる「居住用財産の3,000万円特別控除」という制度があります。

マイホームなど不動産を売却して利益を得た場合、利益に対して譲渡所得税がかかりますが、この制度をしっかりと理解することより節税対策となり、譲渡所得税を抑えることができます。

この記事では、3,000万円特別控除がどのような制度なのか、またどのような要件を満たすと適用を受けられるのか、どのような必要書類があるのかなどについて解説していきます。

居住用財産の3,000万円特別控除とはどのような制度なのか

所有している不動産を売却して利益が出た場合、譲渡所得税が課税されますが、居住用不動産を売却した場合は所有期間に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができるという特例です。

つまり、譲渡所得が3,000万円以内であれば譲渡所得税は課税されないということになります。

この制度は3年間に1度利用可能で、2回目、3回目と複数回利用することができます。

但し、新たに買い替えた住宅がある場合はその住宅ローン控除の適用は受けられません。


不動産を売却した時の利益『譲渡所得』の計算方法

不動産を売却した際の利益の事を譲渡所得といいます。
譲渡所得は以下の計算により求めます。

譲渡所得 = 売却価格 - ( 譲渡費用 + 取得費 )

◇売却価格 不動産を売却したことによって買主から受け取る金銭の額

◇譲渡費用 不動産を売却する為に直接かかった費用(仲介手数料・印紙税など)

◇取得費  土地や建物の購入代金・建築代金・購入手数料・設備費・登録免許税など

3,000万円の特別控除を適用すると譲渡所得税はどうなるのか?

3,000万円の特別控除とは不動産を売却した事で生じた譲渡所得税を計算する際に譲渡所得を3,000万円分控除できるという制度です。

つまり、譲渡所得が3,000万円以内であれば課税されないということです。

では実際に、3,500万円で取得した不動産を5,000万円で売却して、仲介手数料などが譲渡費用として300万円がかかった場合の譲渡所得税と、3,000万円特別控除を利用した場合の譲渡所得税をそれぞれ計算してみます。

【譲渡所得の計算方法】

譲渡所得 = 譲渡価格  - (取得費   + 譲渡費用)
= 5,000万円 - (3,500万円 + 300万円)= 1,200万円

この場合、1,200万円が譲渡所得となり、所有期間に応じた税金が課税されます。

【3,000万円特別控除を適用した場合】

譲渡所得 = 譲渡価格  - (取得費   + 譲渡費用) - 特別
控除
     = 5,000万円 - (3,500万円 + 300万円) - 3,000万円= 0円

特別控除前は譲渡所得が1,200万円ありましたが、特別控除により譲渡所得は0円となりますので譲渡所得税は課税されません。

3,000万円の特別控除の適用を受けるための6つの要件

3,000万円特別控除を利用するためには、一定の要件を全て満たしていなければなりません。
適用を受けるための要件は以下の通りです。

(1)自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。
以前に住んでいた家屋や敷地等の場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

(注)住んでいた家屋または住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の2つの要件すべてに当てはまることが必要です。

イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地が貸駐車場などその他の用に供していないこと。


(2)売った年の前年および前々年にこの特例(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除きます。)またはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。


(3)売った年、その前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。


(4)売った家屋や敷地等について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。


(5)災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。


(6)売手と買手が、夫婦や親子、生計を一にする親族、内縁関係、特殊な関係のある法人など特別な関係でないこと。

適用が除外となるケース

3,000万円特別控除は、次のような家屋には適用されませんので注意が必要です。

(1)この特別控除の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋

(2)居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋

(3)別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋

確定申告を忘れずに

譲渡所得は確定申告が必要です。

但し、譲渡益(売却益)が生じていないケースでは確定申告は不要です。

そのため、譲渡所得が3000万円以内に納まる人の中には、3000万円の特別控除を利用した場合に譲渡所得がなくなるため、確定申告を行わなくてもいいと思っている人も多いかもしれません。

しかし、確定申告をしなければ3000万円特別控除は適用されませんのでご注意ください。

3000万円特別控除を利用したい人は、必ず確定申告を行ってください。

また、譲渡損(売却損)が出た場合は、損益通算により所得税を節税できるのでこちらも確定申告をお勧めします。

まとめ

3,000万円の特別控除は所有期間の年数や居住期間の長短に関係がなく適用が受けられる制度です。

しかも3,000万円特別控除は、3年間に1度であれば何回でも利用できます。

但し、新たに買い替えた自宅がある場合はその自宅のローンに住宅ローン控除の適用が受けられなくなってしまうので注意が必要です。

また、相続した土地建物で、被相続人の居住用に供されていた場合でも適用が受けられるので、相続した土地建物でその後誰も住む人がいないような場合は、3年以内に売却をして、この適用を有効に利用するのが良いと思われます。

なお、3000万円特別控除を利用したい人は、必ず確定申告を行ってください。

確定申告をしなければ3000万円特別控除は適用されませんのでご注意ください。


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